FOG JOURNAL
カテゴリー: 【people 】大桃洋佑さん
大桃 洋祐さんインタビュー
fog で毎年発売しているリネンカレンダー。
2024 年のデザインをお願いしたのはイラストレーターで絵本作家の大桃洋祐さんです。
彼の描く温かくて優しい絵は、見ているとつい笑顔になってしまう魔法があるみたい。
こんな素敵な絵を描かれる大桃さんっていったいどんな方なのでしょう?
先日、大桃さんが世田谷区・等々力に新しく作られたアートギャラリー「 BLUE POOL 」を訪ねてお話しを伺ってきました。
fog と大桃さんとのお付き合いは、奥さまと時々、お店にいらしてくださったことがきっかけです。
そして、去年の 12 月には 下北沢のfog shop でクリスマスのイラスト展をしていただいて、たくさんのお客さまが絵をご覧になられて、ポスターやクリスマスカード、作品集も人気でした。
イラスト展がとっても素敵だったので、2024 年 fog のリネンカレンダーのデザインをお願いしたのです。
(fog)
大桃さんが絵を始めたきっかけとはどんなものだったのでしょうか?
子供の頃から絵を描くのが好きだったのですか?
( 大桃 )
小さい頃から絵は自然に描いていました。絵というか落書きですけど。その時ハマっていた漫画やゲームのキャラクターを真似て描いたり、教科書の端の空いたスペースでパラパラ漫画を作って友達に見せて楽しんだりしていました。
(fog)
大学はデザイン科とのことですが、ご自身で描くよりもデザイン的なものをお勉強されたのですか?
( 大桃 )
大学ではアニメーションを作りたいと思っていて、それが比較的出来そうなデザイン科に入りました。とはいえアニメーションの専門的な授業があるわけではなかったので、自主制作やアニメーション制作のアルバイトなどを通して技術的なことを学んでいきました。
(fog)
ほっとするような、ほのぼのとした作品が多いように思うのですが、モチーフはどんなところから?
( 大桃 )
普段の暮らしの中で「なんかいいな」と思うような何気ない瞬間を切り取ってモチーフにすることが多いです。昔のディズニー映画や古い絵本が好きなので、その影響を大きく受けています。
(fog)
カラフルな色合いも大桃さんの魅力のひとつですが、画材は何を使っているのですか?
( 大桃 )
アクリルガッシュという絵の具と色鉛筆をあわせて使っています。
(fog)
アニメーションを始めたきっかけは?またアニメーションの良さはなんですか?
( 大桃 )
小さい頃からディズニーのアニメーションを観て育っていて、その影響が大きいですね。絵の中に現実とは別の“世界”を作りあげ、そこでひととき過ごすような体験が出来ることがアニメーションの魅力だと思います。
(fog)
今回のリネンカレンダー、犬と猫をテーマでお願いしました。
どんな図柄になるのかなと楽しみにしていましたが、それぞれ犬と猫が何匹も登場する楽しい絵ですね。
( 大桃 )
犬は犬種、猫は毛色や柄で様々なバリエーションを描きました。
(fog)
今回のリネンカレンダー、こんなところに住んでみたいと思わせる街並み、お庭のあるお家が描かれています。
具体的な国や時代のイメージなどはありますか?
( 大桃 )
特定の国や時代にならないように、自分が良いなと思う要素を組み合わせて描いています。欧米の街並みが好みではあるので、いつもどこか海外っぽい雰囲気にはなりますね。
(fog)
リネンカレンダーをお客さまにこんなふうに飾ってほしいとか使ってほしいというような思いはありますか?
( 大桃 )
リネン生地は紙と違って自由度が高いのが良いですよね。椅子に掛けたり部屋のちょっとした所に吊るしたり、とにかく気軽に身近なところに飾ってみてもらえたら嬉しいです。
(fog)
新しいアートギャラリー、BLUE POOL をつくられたのですよね。
ギャラリーではこれからはどのような活動をされるのですか?
( 大桃 )
自分自身が展示をするのは勿論、他の素敵な作家さんにも展示をして頂いて、積極的に紹介していけたらと思っています。作家同士、刺激を受け合える場所になるといいなと思います。
(fog)
大桃さんが作家としては、今後されたいお仕事や目標のようなものはありますか?
( 大桃 )
これからも絵を描き続けていきたいですが、アニメーションや絵本で少し長めの物語などにも挑戦していきたいですね。少しずつ自分が描ける世界を広げていけたらと思っています。
BLUE POOL という名前は、ギャラリーのある半地下の四角い空間がプールのようにみえたことから名づけたのですって。
美しいブルーが基調となった素敵な空間はとっても落ち着いた雰囲気で、なんだか長居してしまいそうです。
BLUE POOL gallery
東京都世田谷区等々力 7 - 14 - 4 - B1
(個展・企画展開催時のみオープン。詳しくはインスタグラムをご確認ください)
大桃 洋祐 YOSUKE OMOMO
1985 年生まれ。東京藝術大学デザイン科・大学院卒。
イラストレーター、アニメーション・絵本作家。「おかあさんといっしょ」「2355」( NHK Eテレ)等のテレビ番組のアニメーション、2020 年に初めての絵本「ぼくらのまちにおいでよ」(小学館)、2021 年 には 2 冊めの絵本「ハムおじさん」(徳間書店)を出版。最近の仕事に NHK「みんなのうた」にて「キミの笑顔」( 作曲・竹内 まりや ) のアニメーション制作や、読売新聞で連載された小説「おしゃべりな部屋」( 作・ 川村元気、近藤麻理恵 ) の挿絵も担当している。