このたび菓子研究家・長田佳子さんとのコラボレーションアイテムが発売になりました。
佳子さんの作るハーブやスパイスを使ったお菓子は、体にも心にも寄り添う優しい味わい。
fog ではスタッフの誕生日にケーキや、2nd FLOOR のイベントでお客さまに召し上がっていただくお菓子をお願いしたりしています。
お会いするたびにいつもおしゃれで素敵な佳子さん。
なにかfog とコラボレーションアイテムをつくりませんかとお声がけしたのです。


長田佳子さんは「心を癒やすお菓子」をテーマに 2015 年に独立し、「foodremedies(フードレメディ)」の名義で活動をスタート。
2021年・春に、東京から山梨県に暮らしのベースを移し、ラボスペース「 SALT and CAKE 」を構えられました。
先日、佳子さんのその素敵なラボを訪ねて、山梨に来てから始めたハーブ畑のこと、そしてコラボレーショーンアイテムのこと、いろいろとお話をお伺いました。

fog : お菓子作りをされることになったきっかけや、菓子作りをするうえで大切にされていることを教えてください。

家族が喫茶店が好きだったこともあり、小さな頃からお茶の時間には特別な思い入れがありました。
大人になって、趣味でつくっていたケーキを友人の誕生日やお呼ばれした先に持っていくと、想像以上に喜んでくださることに私自身とても驚いて、それならばもっと美味しいものを作れるようになりたいと、パティスリーの門を叩いたのが、今の仕事の始まりです。
お菓子作りで大切にしていることは、感覚的な部分でいうと香りと食感と甘さです。

fog : 山梨へ移り住むことになったきっかけは?

5 年ほど前から、養蜂に興味を持ったことがきっかけで長野へ通い始めました。
東京から長野へ向かう途中、山梨までの距離の近さにまず心が動き、さらに温泉と果物が豊富なエリアだということで、田舎暮らしの練習をしてみるつもりで引っ越しをました。

fog : 山梨にお引越しされて、よかったこと、また、不便に思われていることがありましたら、教えてください。

空気の良さと水の美味しさに感謝しています。
毎日変化する山の風景にも感動する毎日です。
不便なことは、都会に比べて交通の面でしょうか。
車がないとどこへもいけないことは時々困ることです。

fog : 山梨での生活はいかがですか?一日の生活のルーティンなどあれば教えてください。

季節や天候でルーティーンは変わるのですが、春や夏の朝は、暑くなる前に庭仕事をして早めの昼食をとったらラボへ向かいます。
産直へ行き食材を買い出しから仕事を始める日もありますが、ラボでは 5 時間ほど集中して試作や仕込みをして暗くなる前に終わらせます。
夜は、真っ暗で静かなのでしぜんと早く眠くなってしまうのですが、疲労を感じるときは温泉へ行きリセットします。

fog : ラボ「 SALT&CAKE 」はかつてワインの貯蔵庫だったとのこと。
どんな目的で作られたのですか?

収穫したフルーツや食材を、ゆったりと加工や保存ができて、試食もできるパブリックスペースをつくりたいと思いました。
今は不定期ですがイベントや、オンラインレッスンなどの動画撮影などにも使っています。
今後は様々なジャンルの学びの場として生かしていけたらと思っています。

fog : 今回は以前に販売してとても好評だった、ガーデントートとガーデンハットに加え、新たにオールインワンとエプロン クロスも作りました。まずは新しくオールインワンを作りたいと思われたきっかけからお願いします。

気に入った形の洋服が色違いであればずっとそれを着ていられるタイプで、特にオールインワンは、上下どうする?丈や素材のバランスは合ってる?と組み合わせを考えないでも済むので、私にとって救いの存在なのです。
おしゃれ着としてはもちろん、庭やハーブ畑の仕事をする際にも着られるようなデザインのものがあったらいいなと。庭仕事では、首元の日焼けを防ぎたいのと、虫に入られないように襟付きにして、脱ぎ着しやすいように後ろはファスナーにしていただきました。スニーカーやブーツにも合いますし、私はダンスコを良く合わせています。何か羽織るだけでもそれなりにきちんとみえるのが嬉しいです」

fog : そして、エプロン クロスこちらもとってもかわいい!
どんなシーンからこのアイディアが生まれたのですか?

「毎日使うクロスも、道具や洋服の着心地と同じくらい手にフィットするものが好み。エプロンクロスはあえて薄地リネンで作っています。生地が薄いとすぐに乾くし、出かける際も軽くて荷物にならないのは嬉しい。こちらは fog さんとクロスのお話をした際、オールインワンにもさりげなく巻き付けられるエプロンがあったらいいねと古いヨーロッパのリネン製品からヒントを得ました」

fog : ガーデントートとハットも新しい色柄で再発売です。
こちらも前回とっても人気があったもの。バッグを使う用途やハットのこだわり部分を教えてください。

「バッグは何を入れるかによって持ち方が変わりますが、以前から改良した点はストラップの長さ。より自由度が増しました。 もともとはお菓子を運ぶダンボールをそのまま入れたり、大きめの鉢や苗のケースを入れたり、収穫した植物を入れたりするイメージでつくりましたが、日常生活でもランドリーバックとしての活用や、お子さま用のお布団を運ぶのにもちょうど良いというお声を聞いています。2024 年のカラーは森のように深い緑と、羊飼いの腰巻きを思わせるようなチェックの 2 色展開です」

ハットについては寒色系が好きではあるのですが、このようなベイビーブルーは、はじめて取り入れてみたいと思った色です。
庭作業などで、俯いていても見つけやすく、雰囲気よくうつるかもしれませんね!

fog : 今日の撮影の少し前に、今回の商品を生産しているリトアニアにいらしていたとのこと。
リトアニアの印象はいかがでしたか?

リトアニアは、今の自分の人生観にしっくりくる部分がありました。
かつては自然信仰だったというなごりも、あらゆる場面で感じ、精神や生活の在り方に影響を受けています。
市場の素朴さも素敵で、外国人の私でもそこで生活することをイメージできるようなやさしさがあります。
ご飯もとても美味しく、毎日リトアニア料理を食べていても全く飽きることはありませんでした。
今回のコラボレーションアイテムは、この旅で大好きになったリトアニアに敬意を込めて、現地で見たものや、リトアニアのイメージの名前をつけさせてもらいました。
みなさんにも、選びながら愛着を持っていただけると嬉しいです。


fog : 本日は素敵なお話をありがとうございました!
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■ 長田佳子 ■

フランス料理店、パティスリー、ファッションブランド『YAECA』のフード部門などを経て、2015年に独立。foodremedies(フードレメディ)」の名義で活動をスタート。「レメディ」は“癒やし”や“治療”などを意味する。2021年春から山梨県に移住し、ワイン貯蔵庫だった倉庫を改装しラボ『SALT and CAKE』を拠点に活動。来月メディカルハーバリスト・石丸沙織さんと共に新書「ハーブレッスンブック」(アノニマ・スタジオ)を刊行予定。

fog 2nd FLOOR でも 5 /  7 ( tue )・5 / 8 ( wed ) でイベントも開催予定です。
写真 在本彌生
『ハーブレッスンブック』より