miiThaaii
現在はベイエリアにお住まいで、「HATAGUCHI COLLECTIVE」を主宰されているひろこさん。
fogやmiiThaaiiとは、もう本当に長いお付き合いになりますね。アメリカやロンドンでの展示会に何年も一緒に出展したりと、仕事でもプライベートでも親しくしていただいていています。そして、miiThaaii のウェアもいつもおしゃれに着こなしてくださっているのです。
今回、miiThaaiiとのコラボレーションを引き受けてくださって本当にありがとうございます!
ひろこさんが生み出す独特の色使いや柄のセンスは、いつも本当に素敵だなと思っています。
改めて、ブランドを立ち上げたきっかけや、デザインにおいて大切にしていることを伺えますか?

HATAGUCHI COLLECTIVEのHIROKOさん

HIROKOさん
数年前、夫の仕事の都合で東京からシンガポールに引っ越した事があります。
シンガポールでは、インド系住民は第3の主要民族グループであり、社会に深く根付いており、インド街などもあります。インドがとても近い存在だということを実感し、その未知なる国にとても興味が湧き、行ってみたい!と思うようになり、引っ越したすぐ後で、お仕事を探す前に思い切り旅行に行きました。

そこでインドの北部分、ジャイプールに旅行中に再生紙工房のオーナーに出会います。
北インドは、古くから手作業でモノを作ることが盛んです。特に綿織物の産業が非常に盛んで、出会った再生紙工房では、縫製工場から廃棄された綿を再利用して一枚一枚、紙漉き職人が手作業で紙を作っていました。その紙はとても柔らかく、美しく、温かみのある風合いを持っていました。
引っ越す以前は長くアパレル業に就いていたので、自分の関わってきた洋服の廃棄部分を使って、美しい紙を作っていることに感銘を受けました。
こんな素晴らしい工芸をもう少しモダンなデザインで、広められたら素敵だな、と思い始めました。

miiThaaii
「HATAGUCHI COLLECTIVE」というブランド名に込めた想いも気になります。
ひろこさんにとって「紙」という素材の魅力は何ですか?
また、現在の拠点であるアメリカ西海岸の環境やカルチャーは、ご自身のクリエイティブにどのような影響を与えているのでしょうか。

HIROKOさん
「ハタグチコレクティブのハタグチは、祖母の苗字です。ハタグチを受け継ぐ人がいなく、彼女の苗字をブランド名に使わせてもらうことにしました。
もともと紙や手仕事の工芸品など、手に取ったときに温かみを感じるものが好きで、旅先や日常のなかで少しずつ集めていました。アパレル業に携わっていた頃は、一年が2シーズン、あるいは4シーズンで区切られ、時間が驚くほど速く流れていきました。でも紙には、季節がありません。トレンドに左右されず、時間が経っても変わらず生活の中に生きています。
現在暮らしている北カリフォルニアは、独自の文化と価値観が混ざり合う場所です。シリコンバレーに代表されるハイテク産業の中心地でありながら、大量生産品よりも作り手の顔が見える「スロー」なものを好む人が多く、クラフトへの関心がとても高いところです。
自然を愛し、素材や製造プロセスにこだわる人が身近にたくさんいる環境は、ハタグチにも深く影響しています。すでにものが溢れているこの時代に何かを新たに生み出すなら、環境への負担が少ない方法でもの作りをすることは、ハタグチを始める上での、自然な出発点でした。

miiThaaii
今回は、異素材である「布」を扱うmiiThaaiiとのコラボレーションです。
最初にmiiThaaiiの製品をご覧になった時、どのような印象を持ちましたか?
また、今回はあえて「布製品」を一緒に作ろうと思ってくださった理由も教えてください。
トートバッグやポーチにご自身のグラフィックを落とし込む際、紙に印刷するのとは違う面白さや難しさはありましたか?

HIROKOさん
由美子さん率いるfogチームの作り出すものがずっと好きで、少しずつ自分の暮らしに取り入れてきました。なかでもMiiThaaiiは特に自分のスタイルと合っていて。トレンドに流されず、シンプルでカジュアル、その絶妙なバランスが心地よくて、気づけば本当によく着させていただいています(笑)。

今回コラボのお話をいただいたとき、ハタグチとmiiThaaiiが一緒に作るなら、ハタグチのプリントを使ったカジュアルで実用的な布製品が自然な形だと思いました。以前から「ハタグチのプリントで布ものは作らないの?」と何度か聞かれていたこともあり、これは良いタイミングだと感じました。

実際にハタグチのプリントが布に落とし込まれ、サンプルを初めて手にしたときは、驚きと感動が入り混じった不思議な感覚でした。紙とは異なる発色、小さな紙製品からトートバッグへと面積が広がることで生まれる新鮮な違和感。それでも、由美子さんをはじめ、fogの川嶋さん、「ほぼ日」のみなさんと意見を交わし、支えていただきながら、単なる商品コラボを超えて、みんなで一緒に作り上げた、と呼べるものになったと思っています。

WITH×HATAGUCHI COLLECTIVEポーチ

miiThaaii
実は今回、ひろこさんの柄を布に再現するにあたって、かなりの試行錯誤がありましたよね。多色使いを活かしたくてデジタルプリントも試しましたが、キャンバス地との相性が難しく、なかなか思うような風合いが出なくて……。

「生活のたのしみ展」に向けて昨夏のプロジェクト始動からずっと並走してきましたが、結局出来上がりはギリギリになってしまいました(笑)。
でも最終的には、HATAGUCHIのペーパープロダクトと同じ「シルクスクリーンプリント」を採用することで、納得のいく生地に仕上がりました。

このmiiThaaiiの生地感と、ひろこさんのデザインが組み合わさった表情について、どう感じていらっしゃいますか?

また、皆さんにどんなシーンで楽しんで使ってほしいですか?

HIROKOさん
出来上がりがギリギリになったのは、関わった皆さんのこだわりがたくさん詰まっているからだと思います。良いものを作りたいという気持ちと、そしてインドでものづくりをするからこそ味わえる醍醐味も、ちゃんと含まれていますね(笑)。
シルクスクリーン印刷が好きな理由は、鮮やかな発色と耐久性高いところです。思い描いた色がしっかり乗り、そこにわずかなムラが生まれます。そのわずかなムラが均一なプリントにはない「面白み」があります。使っていくうちに色落ちがまた楽しめ、日本のキャンバスともアメリカのキャンバスとも異なるmiiThaaiiのインドのキャンバス地。その独特の質感を自分だけの愛着ある形に育てていくのも楽しいと思います。キャンバス地は丈夫な素材で、使い込むことで柔らかさが出ます。ハタグチのプリントも少しずつ色が抜けて「味」になっていったら良いですね。
普段使いにも、買い物や、ビーチやキャンプ、ピクニックなど生活のお供にあちこち気兼ねなく連れていってもらえたら嬉しいです。

miiThaaii
いよいよ「生活のたのしみ展」で、日本のお客様に直接お届けできるのが楽しみです。
今のお気持ちを聞かせてください。また、今回のコラボを経て、今後新しく挑戦してみたいことはありますか?

HIROKOさん
紙を扱うブランドのハタグチとのコラボ商品が実際に形になったこと、今もまだ信じられない気持ちがあります。でもとても可愛い商品になってじんわりと嬉しいです。こだわりが詰まった商品がついに日本のお客様に届けられる日がついに来た、そう思うと、胸がドキドキです。
これからも、紙製品と同様に、ハタグチのプリントを使った布ものを少しずつ紹介できたらと思っています。


miiThaaii(WITH)×HATAGUCHI COLLECTIIVEのプロダクトは「ほぼ日」主催の「生活のたのしみ展」で初お目見えします!ぜひお越しくださいね。

生活のたのしみ展 WITH×HATAGUCHI COLLECTIVE