もともと fog とのお付き合いは、イザベルさんがパリで出版された TOKYO のガイドブックに fog のお店を紹介してくださって、そのご本をお店に届けにきてくださったことから始まりました。
その時に関根が一緒に食事に出かけて以来、イザベルさんが東京にいらっしゃる時には一緒にお食事したり、関根の家に泊まって頂いたりというお付き合い。
初めはショッピングバッグのデザインをお願いしたことから、コラボレーションが始まって、2018 年にはリネンカレンダークロスのデザインをお願いしました。
そして今ではハンカチやバッグなどの商品も一緒に作っています。
fog の商品の中でもイザベルさんのイラストがプリントされた商品は大人気。
今日はイザベルさんに、いろいろ質問をしてみますね。
( fog ) イザベルさんがそもそも絵を始めたきっかけとはどんなものだったのでしょうか?
子供の頃から絵を描くのが好きだったのですか?

はい。子供の頃から絵を描いたり、本を作ったり、コラージュしたり。
お裁縫や料理などの手作業が大好きでした。

( fog ) 学校では美術の専攻を?

15 才の時に美術を学びたいと思って専門の高校に入学して基礎を学んで、18 才から 22 才まで美術大学に通いました。
つまり 8 年近く美術の勉強をしてきましたが、美術以外の勉強をするなんて想像つきませんでした!
やっぱり私は絵を描くことが好きなのです。
そして今も子どもの頃から情熱を注いだことを続けています。
それは自分にとってとっても大切なことだと思っています。

( fog ) どんな絵を描くのが好きですか?

自分が好きだったり美しいと思ったり、心を動かされるものを描いています。
例えば、自然と花。
私をとても落ち着かせてくれるし、色を楽しむことができるから。
もちろん食いしん坊なので食べ物を描くのも好きです!
しかし、多くのテーマが私を魅了します。
お年寄り、動物、お店。。
描きたいものがたくさんあるんです。



( fog ) イザベルさんは fog の商品に描かれるような絵の他にもいろいろなスタイルの絵や作品を作られますよね。
様々なコラージュの作品やオブジェを作られたりも?

はい、コラージュを作るのもとても好きです。
私は紙のコレクターなので、切り抜いた紙から作品を作るのが大好きです。
そして、押し花も。
ドライフラワーと葉っぱをお気に入りの紙に糊で貼って、古いラベルやヴィンテージの雑誌から切り抜いた文字などをいくつか追加して、ちょっとデザインしたりして楽しんでいます。


( fog ) 美しい色合いもイザベルさんの魅力のひとつですが、画材は水彩で書くことが多いのですか?
他の画材も使用されますか?

主に水彩絵の具を使用しています。
ある時期から絵の具の匂いに過敏になり、油絵の具やアクリル絵の具が使えなくなりました。
水彩では明るくしたりカラフルにしたり、本当に多くのことが可能なのです。


( fog ) 絵を描く時にインスパイアされるものは ?

花、風景、人、動物、建築物、おいしい食べ物など、私を幸せにするものはすべて私にインスピレーションを与えてくれます。
喜びを感じたとき、すぐに絵を描きたくなってしまうの!

( fog ) カレンダークロスの題材は花や鳥、雑貨、食べ物など身近にあるモチーフが多いですよね。
毎年、テーマはどんなふうに決めていますか?

自分がその年に嬉しかったテーマを提案するようにしています。
幸せなことを共有することで、私のエネルギーと熱意がみなさまにも伝わるといいなと思って。
カレンダークロスを買ってくださった方々のキッチンやリビングで、私のカレンダーが飾られているところを想像するだけでとっても幸せだし感動してしまいます!


( fog ) 毎年日本にいらしていたイザベルさんですが、このコロナの期間に日本にいらっしゃることができなくて、一番恋しいと思ったことは?

ああ、そうなんです。たくさん恋しかったことがあります!
まずは友達、そして日本の食べ物、景色、匂い、音。
日本は私にとって 2 番目の国です。
いつも日本に戻ってくることをとても嬉しく思っています。
日本の空港に到着すると、帰ってきた!って思うの。


( fog ) 今回、日本滞在中にしようと思っていることは? 

まずは fog で展覧会を開催できることをとても嬉しく思います。
fog は大好きな場所だし、ここで展覧会を開催することで多くの人と出会えるから。
そして秋は美しい季節。日本の 11 月が大好きです。
もみじや苔、山などを見にきたいと思っています。
日本の風景は私に多くのインスピレーションを与えてくれます!
もちろん、私の旅行は大好きなお年寄りに会って少しおしゃべりできる喫茶店への訪問もとっても重要。

( fog ) 日本で行ってみたい場所などありますか?

本当にたくさんあります!
四国や、北海道、九州・・。
いつも日本に来ると東京か京都か大阪をベースに滞在していますが、新しい場所を発見するのが好きで、来日するたびに新しい場所を訪れたいと思っています。
私の夢は、私が大好きなこの国のいろいろな場所を発見しながら日本で丸一年過ごすこと!


( fog ) 日本に住むとしたら、どこの街がいいですか?

おー!それは難しい質問です!
東京には友達がたくさんいるので東京を選ぶかもしれませんが、自然も大好きだから例えば奈良に住んでいる日本人はとてもいいなと思います。
どこにもそれぞれの特徴があり、同時にどこにでも少しでも住めるようにできるといいなと思っています。

( fog ) イザベルさんの今後の日本での活動の予定やご本の出版の予定などありましたら、教えてください。

来年の 1 月、私の新しい本が日本のパイ インターナショナルから発売されます。
フランスの工芸品やアングレームでの私の日常をテーマにした本で NHK「パリジェンヌの田舎暮らし」の番組を元にしています。
この番組を気に入ってくれた人が私の本も気に入ってくれることを願っています!

( fog ) これからやってみたいお仕事はどんなことですか?

たくさんあるわ!
まずは私の著書「OTOSHIYORI」のドローイングを日本で展示したいと思っています。
私が描いた日本を見て、日本のみなさまも喜んでくれると思います。
それから、fog で作ったカレンダーやハンカチ、バッグ、ポーチ、トレイ(ただいま素敵なリネントレイを製作中でもう少ししたらお披露目予定です)も続けたいと思っているし、特別なエプロンやドレスを作るのも楽しいでしょう!


それから、Romi-Unie のようにケーキやジャムを作っている人たちとコラボレーションするのも大好きです。
パッケージのイラストやデザイン。
そうだ、テキスタイル デザインをすることも夢です。
いつか、お気に入りのファブリック ブランド Check & Stripe のパターンを作れたらいいなと思っています。
そして本のアイデアもいっぱいあります!
本は私のお気に入りのオブジェクト。
本を作るのはかなり長い時間がかかりますが、出版プロジェクトに携わることは大きな喜びです。
そしてパリジェンヌの田舎暮らしのように、今度は日本で素敵な職人に会い、彼らの作品を発表できればと思います。
日本の職人技は私を魅了し、多くのインスピレーションを与えてくれます。
ほんとうにやりたいことがたくさん。
私はすべてを行う時間を見つけなければなりません。