画家・イラストレーターとして活躍する荻原美里さん
美しく、透明感があり、見る人の心を掴んで離さない荻原さんの絵が fog のリネンにプリントされてハンカチとバッグになりました。その発売を記念して 9 / 26 ( mon ) から fog 2nd FLOOR で 「misato ogihara exhibition 」が開催されます。
荻原 美里さんはどんな方なのでしょう?そして素敵な絵はいったいどのようにして生まれるのでしょうか?


荻原さんは現在東京のご自宅と、山梨・甲府にあるアトリエの 2 拠点生活を送られています。
先日
甲府のアトリエに伺って、いろいろお話を伺いました。
今日はその時のインタビューをお届けします。

(関根)
私が荻原さんのことを知ったのは、本屋さんで素敵な本の表紙をみつけて、手に取ると表紙の絵が荻原美里さんということが続き、とても気になっていたのです。それでinsta をフォローさせていただいたら、荻原さんからコメントいただき、その後、六本木 ミッドタウン内のSMP と神田の水犀での展覧会を拝見して、fog とのコラボをご相談しました。


(関根)
荻原さんはどういうきっかけで、今のようなお仕事をされることになったのですか?
(荻原)
美術大学でデザインを勉強した後、会社に入って舞台美術の仕事をしていました。
オペラやバレエの背景画、発泡スチロールを彫刻して大きなオブジェを作ったり、なんでも作っていましたね。 
空間づくりが好きだったので楽しかったです。20 代は並行してフリーランスでパッケージや広告のデザイン、レストランの壁画の仕事もしてました。でも時代的に舞台美術の仕事が少なくなり、会社を退職しフリーランスのイラストレーターの仕事をしながらギャラリーで営業の仕事をしたり、料理も好きなので、レストランで働いたりも。そのころお誘いを受けたグループ展で自分の絵のポストカードを友人が買ってくれたのです。その友人がポストカードをどなたかにお出ししたのですよね。そしてその受け取った方がとても気に入ってくださり、個展をやってみませんか?とお誘いいただきました。小さなポストカードの絵がきっかけで、そこから作品を発表する機会が増え、いろいろな方に知っていただき、仕事が増えたのかもしれませんね。




(関根)
いろいろなお仕事をされてきたのですね。今は職業は画家ということになりますか?
(荻原)
そうですね、個展をするときはやはり画家なのかな。自分で表現して伝えたいものがあるので。装画の仕事に関しては、画家というよりイラストレーターという気持ちが強いですね。いろいろな方と関わりをもって作って、商品として販売するものなので。装画の仕事を始めたころは、よく出版の方に「描き下ろし(本を読んだ上でイメージして絵を描くこと)は大丈夫ですか?」と聞かれることが多かったのですが、「全然大丈夫です。」と。

(関根)
装画のお仕事、たくさんされていますよね。本屋さんに行くと荻原さんが描かれた本の表紙にいつも心惹かれます。
(荻原)
嬉しいです。本は最近デジタル化で、売れなくなってきているという話も聞きますが、やはり表紙を見て、読んでみようかなと手に取って、自分の本棚に残しておきたいと思っていただけると嬉しいです。


(関根)
さまざまな装画のお仕事、どんな風に描かれるのですか?
(荻原)
装画の依頼を頂いたら、まず本を全て読みます。出版社の方ではじめからしっかりと表紙のイメージが決まっていることもありますが、実はまったく決まってないことのも多いのです。そういうときは読んで読んで読んで、2 ~ 3 パターンくらいの下絵を描いて、そこから選んでいく感じですね。翻訳された海外小説の表紙を描くことが多いのですが、写真などを見て描くというよりは、ストーリーからイメージして描くことが多いです。 洋服や建物などに関してはその時代の参考資料を見ています。

(関根)
今まで描かれた表紙でお気に入りのものは?
(荻原)
どの作品も思い入れがありますが、フェルナンド・アラムブルの「祖国」は上下巻あって、同じ窓を描いている表紙なのですが、上巻は「家の中の窓から外を見た雨の風景」、下巻は「晴れた日に外から見た家の窓の中の風景」を描いています。 ベルンハルト シュリンク「オルガ」、エマ・ドナヒュー「星のせいにして」、 ジャネット・スケスリン・チャールズ「あの図書館の彼女たち」、辻仁成「十年後の恋」も好きです。「十年後の恋」はカバーをとった中の表紙も描いていいます。気付いていない人もいるかもしれませんが。笑


(関根)
荻原さん自身がお好きな作家さんは?
(荻原)
アルベール・カミュが好きです。あとは20代のころ村上春樹さんのエッセイ「遠い太鼓」がとても好きでした。旅のエッセイとかも好きですね。

(関根)
荻原さんの展覧会についてお伺いします。私が見せていただいた展覧会、深く心に響くものだったのですが、どういうふうに構成されるのでしょうか?
(荻原)
まずは会場の図面を頂くところから。そしてその空間に必ず足を運びます。場所を見ないと描けなくて。
そして壁の写真を撮って、壁ごとに展示をイメージしていくのです。
絵を描く前に展覧会のテーマは決めています。8 月の六本木の展覧会の時には、「大切な時間」というテーマで、いらしてくださる方はどんな絵を見たいかなとまずは考えました。 まずは沖縄、北海道など一番遠くから飛行機のチケットを取ってドキドキしながら会場まで来てくださるお客様を想像して、やはり来て良かったと思っていただけるように。私にできることといえば、絵を描くことなので、皆さんの心の底に何か強い力が与えられたらなと。そして、笑顔で前向きに、楽しい人生を歩んでいただけたらといつも思っています。


(関根)
fog でのイベントでは絵を描くワークショップを開催されますね。
(荻原)
ワークショップは教えるというよりは、みんなで楽しく絵を描こう!と思っています。
今回「空」というテーマもあるのですが、参加するみなさんに描きたい空をご用意していただくので、
イベントに参加することをきっかけに、みなさんが上を向いて空を見る機会が増えたらいいなと思います。
私は毎朝 4 時半くらいに起きて空を見るのですが、朝の空はドラマチックに変わるんですよね。空を見るのが好きなので、「空」をテーマにしたワークショップをやりたいと思っていました。
( ワークショップは定員に達しています)

(関根)
今回のイベントで販売予定の商品を見せてください。
(荻原)
ポストカードを同じ絵柄の切手付きで販売します。
あと、ポスターは今回はじめて販売します。気軽に飾れるポスターがあったらいいかなと。
辻仁成さんの「十年後の恋」の本の中に使われた凱旋門の上から見下ろしたパリの風景です。


( 切手は正式なもの。使う事ができます)



(関根)
イベントでは美味しいものの販売も予定されてますね。
(荻原)
主人(荻原賢樹さん)もアーティストなのですが、パンやお菓子の製造を始めて、イベントでは野菜酵母のパンや焼き菓子の販売をする予定です。


(関根)
今日ごちそうになったランチとおやつもとってもおいしかったです!


(関根)
イベントにご参加頂く SAZANAMI COFFEE とはどんなご縁で?
(荻原)
SAZANAMI COFFEE の沢田さんとは、私が昔働いていたレストランの友人の紹介で知り合いました。出張バリスタをされていて、コーヒーが飲みやすく美味しかったのです。あと彼の考え方にも共感していて、コーヒー豆の売り上げをビーチクリーンの団体に寄付する社会貢献活動をしたり、地元の人たちを巻き込んでポップアップを企画したり。コーヒーを通して、彼の地元の藤沢を盛り上げる活動に取り組んでいます。その行動力も素晴らしいと以前から思っていたので、今回のイベントにお誘いしました。




(関根)
今回のイベント用にご用意頂いたコーヒー豆のパッケージもとってもかわいいですね!


(荻原)
イベント用に 2 種類用意しました。猫ちゃんの方にはモデルがいて、「あじちゃん」という猫なんです。
今回のパッケージ、実は依頼されたわけではないのですが、私が勝手にデザインしてしまいました(笑

)。

(関根)
今回の fog との商品についてですが、ハンカチは「犬との暮らし」、「猫との暮らし」がテーマですね。




(荻原)
動物が大好きなんです。子供のころはずっと猫を飼っていました。鳥とヤギを飼っていたこともあります。 
ラブラドールレトリバー、ベージュのプードル アンジェラ、現在はプードルのロアと暮らしています。
絵の中にも鳥や犬、猫、人間など生き物を描くことが多いです。生き物がいないとただの風景になってしまいますが、生き物がいると空気の中に体温を感じられる、温かみが出るんですよね。




(関根)
ハンカチは小さく配置されたイラストがとても素敵。すぐにデザインをご提案頂きましたが、考えられていたのですか?


(荻原)
こういうのを考えるのが好きなんです。こんなのがあったら自分も欲しいかもと思ったり。ハンカチは気分によって表に見える面を変えて使ってもいいですよね。あと、服と靴が好きなので。洋服や靴の絵は自分の持っているものを描いています。



(関根)犬や猫、風景など実際のモデルさんや場所があるのですか?


(荻原)ハンカチに描いた犬・猫ちゃんたちにはモデルがいる子もいます。
ソファで寝そべっているボーダーコリーの子はこの間会ってきました!緑色の箱にはいった猫ちゃんもモデルがいますよ。
バッグ『猫と一緒』には特にモデルさんがいないのですが、シャムネコを描いています。 
バッグ『森の家』は、私が森が大好きなので家は想像で描きました。 バッグ、とても使いやすいサイズです!このサイズのバッグあるようでない。必要なものは入るので、ちょっとそこまで気分転換に出かけるときなどに使えそうです。


(関根)
今回のコラボの商品にはいくつかの短い文章が書かれていますね。どのテキストも心に響きます。



 



(荻原)
言葉の力はすごいと思っていて。言霊ともいうじゃないですか。
言葉と絵の両方があると、もっと世界に入って頂けるかなと思うんです。
カミュの 「Live to the point of tears. 涙が出そうになるくらい生きろ」という言葉は一番好きな言葉かもしれないですね。みんなくじけないで必死に走ろうよというような感じ、これは雪の中を走っている絵「day in the life」に添えた言葉でした。
言葉やタイトルは絵を描き終えた後に付けています。


(関根)
今日は素敵なお話をありがとうございました。 fog とのコラボの商品、とても素敵なものになり、嬉しいです。来週からのイベント、どうぞよろしくお願いいたします。

撮影・清水奈緒


misato ogihara exhibition

date : 9 / 26 ( mon ) ~ 9 / 30 ( fri ) 12 : 00 ~ 18 : 00
place : fog 2nd FLOOR 世田谷区代田 5 - 35 - 1

画家・イラストレーターとして活躍する荻原美里さんにデザインをお願いしたリネンのハンカチとバッグの発売を記念してfog 2nd FLOOR にてイベントが開催されます。

リネンのハンカチとバッグの他に小さな原画の展示販売とポストカード、ポスター、そして荻原さんのアトリエがある山梨で作られたパンとお菓子 ( パンの販売は 26 日のみ )、荻原さんのドローイングをパッケージにした coffee 豆の販売 ( 数量限定) など、どれも少量ですが販売する予定です。
26 日は SAZANAMI COFFEE の沢田さんが試飲のためのコーヒーを淹れてくださいます。こちらは無料になります。
また 30 日には fog のショップで焼き菓子が人気の One. のお菓子も並びます。
ぜひエコバッグご持参でおでかけくださいね。